リサーチ大学では珍しい「一般教養」?!

一般教養を学問の基礎とする UChicago では Core Curriculum という制度があります。多くのリサーチ大学では入学時から学部による区別がありますが、シカゴでは数学、人文社会科学、物理、芸術を含む合計7つの分野の履修が必須です。また、同じ社会科学や物理でも履修可能な授業が少なとも10個あるのに加え、レベル別になっているため、2人の学生が全く同じスケジュールを持つことはまずないです。正直、1年の終わりになると好き嫌いが分かれますが、新入生では大学の象徴でもあるこのリベラルアーツ教育を好む人が大半です。(Core Curriculum についてより詳しく知りたい方は下に貼ってあるリンクをご覧ください)

キャプション:冬学期に履修した生物のラボ


ここで、一般教養1年目を通じて得た気づきについて掘り下げます!


1)トライ&エラーがおもしろい

将来の夢が未だにぼんやりとしている私にとってCore Curriculum はものすごい財産です。シラバスとフィードバックを参考に、「この内容興味深い!」と少しでも思ったら履修の候補に入れています。スケジュールを埋めるためだけに履修した授業にものすごく惹かれる、楽しみにしていた授業がピンとしない、「もしかしたら興味が沸くかも...」と思った授業がやっぱり普通だった、と毎学期がトライ&エラーの繰り返しです。後ほど詳しく話しますが、文化人類学の授業を通して自分がその学問に向いていないと気づき、また、履修したGISのイントロ授業が研究に繋がった、と毎学期が発見と可能性に満たされています。


2)…確かに履修したくない授業はある

物理は高校でサヨナラしてきたつもりでしたが…星雲とかにハマる可能性も0ではないので!


3)書籍にかかる出費がすごい

とにかく読む量が多いです。社会科学の授業で最もチャレンジングと言われながらも一番人気な Power, Identity, and Resistance I,II,III では、3学期間を通して約20作品扱いました。大体3ヶ月間で6〜7冊ですね。ほとんど熟読はしていませんが、十分なディスカッションができるくらいの用意はしていました。

これ+他の履修に必要な書籍も揃えると相当の数と値段になってしまいます… 知り合いから借りる、図書館を活用する、ebookをダウンロードする、そもそも読まない、など出費を減らす様々な工夫をするようになる学生が多いです。


4)迷走しがちだけど、最終的には引き出しが多くなる

自由なマインドセットを持つからこそ、自分の将来に不安を抱くこともあります。「結局私は何を学んで、何を成し遂げたいのか」と熟考したり、逆にわけわからなくなって頭を空白にすることは少なくないです。でも同じ葛藤を持っている大学や奨学金財団の友人は意外といるもので、みんなと話すことによって安心感と自信をもらっています。

キャプション:ホッブスの『レヴァイアサン』を読みながら寝落ちしてしまった

シカゴ大学 x ブログ

シカゴ大学、通称 UChicago. 発見と出会いに満ち溢れるこのキャンパスで過ごしながら「おもしろい!」と思ったことについて書いていきます。

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